
「仕事道具の整理も兼ねて、ついにミラーレスへの完全移行を決心したんです」。重厚感あるバッグから取り出されたのは、ニコンのFマウント黄金時代を象徴する一本、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDでした。婚礼撮影やスタジオワークで数えきれないほどのシャッターを切ってきたというこのレンズ。カウンター越しに伝わってくるその存在感からは、プロの現場を支え抜いてきた誇りと、撮影者との深い絆が感じられました。本モデルは、フォトグラファーなら誰もが一度は憧れる「大三元」レンズの筆頭です。24mmの広角から70mmの中望遠まで、開放F値2.8通しで突き抜ける描写力は、他の追随を許さない圧倒的な信頼性があります。最新のZマウントレンズが登場した現在でも、この「Gタイプ」特有の、デジタル臭さを感じさせないこってりとした色乗りと、被写体を浮き立たせる立体感に心酔するファンは少なくありません。まさに名機中の名機であり、中古市場でも常に指名買いが絶えないモデルです。査定にあたって注力したのは、ズームリングとフォーカスリングの回転トルクです。このレンズは鏡筒が大きく、可動部が多い構造上、長年の使用でグリスが偏ったり、異物噛み込みによる引っかかりが生じたりしやすいのが弱点です。今回は、全域にわたって非常に滑らかで、新品時のような「しっとり」とした感触が維持されていました。加えて、ナノクリスタルコートの剥がれがないか、レンズ内部に微細なクモリが生じていないかも詳細にチェックしましたが、保管状況の良さが光っており、光学・機構の両面で自信を持って最高額での提示をさせていただきました。ニコンのプロ向けレンズを所有されている方へ、一つだけ注意をお伝えします。このGタイプに共通する悩みとして、外装のゴムグリップが白く変色したり、ベタつきが発生したりすることがあります。これをご家庭で無理にアルコール等で拭くと、ゴムがふやけて余計に劣化を早めてしまいます。もし気になっても、軽く乾拭きする程度にとどめてください。また、フードのロック機構は衝撃に弱いため、取り付け時に違和感があれば無理に回さないのが長持ちの秘訣です。そうした「そのままの状態」で査定にお持ちいただくほうが、結果として高い評価に繋がります。査定完了後、お客様が「また誰かの作品作りの役に立ってくれれば」と寂しげながらも晴れやかな表情をされていたのが非常に印象的でした。私たちがこの場所で機材を鑑定するのは、ただの品定めではなく、その一本が記録してきた記憶と技術を、次の使い手へと繋ぐための役割だと思っています。ご自宅の機材棚で眠っているレンズがございましたら、ぜひ一度当店のカウンターへお持ちください。そのレンズが持つ価値を最大限に評価し、大切にお預かりさせていただきます。


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